アナタがスキ。アナタがスキ。アナタがスキ。
「 初恋 〜春夏秋冬〜 」
春の訪れ、ワタシは戸惑いアナタは月に笑う。
花香りココロ弾む4月。
桜の時期にアナタと出会う。
夜桜に映える背の高いシルエットと端正な横顔。口元には笑みを湛えて。
宴の熱に浮かされてワタシはアナタに魅入られる。
アナタの涼やかな目元。伸びやかに通る低い声。
柔らかな髪をかきあげる大きな手。煙草に火を点ける細く長い指。
交わす酒、重ねる杯にアナタがホンノリ色付いて密やかに笑う。
アナタの仕草一つ一つがワタシを惹きつける輝きを放って。
その耳に光るピアスのように。
今宵の月に似た冴えた輝きでワタシを照らす。
言葉も多く交わせぬままにただアナタに憧れる。
若葉に風澄み渡る5月。
アナタを繰り返し、思い出しては。ワタシのココロ、喜びに震える。
ワタシの憧れはいつしかアナタへのコイゴコロになって、ひそりと胸に住み着いた。
ワタシの耳にピアスが一つ。
夏は花火に身を焦がし、ワタシはアナタに恋をする。
そぼ降る雨、心虚ろな6月。
空はドンヨリ泣きそうでワタシのココロも重くなる。
押せない送信ボタンがモドカシい。
「アナタは何をしてますか?」
胸躍り心煽る7月。
ナケナシの勇気振り絞って送信ボタンを押してみる。
「アナタにも一度会いたいです。」
花火を見上げる横顔に、春の日のアナタを見つけトキメイタ。
「ひさしぶり。」
アナタのたった一言でワタシのココロ、花火と共に舞い上がる。
歓喜の熱高ぶる8月。
「アナタがスキです。」一世一代のワタシの告白。
アナタは一瞬驚いて「アリガトウ。」と微笑んだ。
「ワタシはアナタがスキなんです。」
伝えたかった一言がアナタを目指して涙と共に溢れ出す。
少し困った顔をしてアナタがワタシの涙を拭う。
憧れた細い長い指先がワタシに触れて、アナタが頬にキスをした。
秋は夕日の眩しさにワタシはアナタを見失う。
モノ寂しくヒト恋しい9月。
「どうして?」側に居て欲しい。居させて欲しい。ワタシの願いは一つなのに。
アナタは困ったように微笑んで「それは無理。」と囁いた。
その諭す口調にワタシは堪らなくアナタを憎んでしまう。
頭ではワカッテル。でもココロはワカリタクナイ。
疑惑の10月。
「ワタシだけがアナタをスキ。」繰り返すワタシの言葉。
「そんなことない。」アナタの言葉遠く聞こえる。
別れの11月。
「これで最後。」宥めるように優しいキスを唇にアナタは残して背中を向けた。
「それでもアナタをスキなんです。」去っていく後姿にワタシはそっと呟いた。
冬は雪、寒さがワタシのココロに凍みて、ただアナタは駆け抜ける。
嘆きの12月。
別れのキスを思い出す。苦い涙がココロを冷やす。
降り積もる1月。
アナタは優しかったのに。気付けなかったワタシがバカ。
凍える2月。
一人は寂しい。アナタが居た優しい時間を知ったから。
巡りくる春。
咲き誇る桜の下でワタシはアナタを思い出す。
「今でもアナタがスキなんです。」
この想い、一生ワタシのタカラモノ。
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脳内変換、ザッ*クラで(クラ*エアでも変換可で)。某小説投稿板に投稿させて頂いていたものを転載(ツカイマワシとも言う)。
花見に行った日に「神羅でもお花見ってやるのかなぁ?(新歓宴会みたいな。)」と思ってたら浮かんで一気に書いた話です。
中途半端にパラレルぽいので、分かりにくいかもって事で。ちょっとした作品解説↓
新歓花見で出合った先輩ソルジャー・ザックスに憧れを抱いた乙女クラウド(笑)。ザックスを真似て同じピアス街で買ってみたり。
(←の件は『片翼の天使』神凪様の裏サイト内小説「絆」に触発され書いたもの。興味のある方はlinkページからどうぞ。裏アドレスは申請制だそうです。)
携帯(ゲームではPHSでしたね。)で連絡してみようかと悩んでみたり。花火大会で再会し憧れが恋に変わって付き合い始める二人。
秋任務で忙しくすれ違う二人に別れが訪れ・・・。冬、ザックスを忘れられずに悲嘆にくれる日々。
再び春が来てクラウドはザックスとの思い出を胸に新たに歩き始める。
「クラウドはこんなに乙女じゃない!」と思う方もいらっしゃるでしょうが。まぁ雰囲気でカルーク・・・。
桜の時期に書いたので始まりと終りのシーンは春にしました。BGMはケツメイシの桜でゼヒ(笑)。